余白のある私でいたいから 仕事も暮らしも「一人でやらない」新常識
- 2月26日
- 読了時間: 9分
「一人で頑張る」ことが当たり前になりがちな起業・フリーランスの働き方。
でも実は、“誰かとつながる”だけで、事業はぐっと前に進むことがあります。
先日受けたインタビューが、こんな書き出しで始まる記事になりました。

起業だけでなく、仕事、子育てや暮らしも全く同じだなと感じています。
きっと、共働き育児中のあなたが、時間と気持ちの余白を作るヒントになると思うので、ご了解をいただいてインタビューの一部をご紹介します。
それぞれの道で積み上げてきた専門性と原点
――まずは、自己紹介をお願いします。
島村:ちょうど10年前に起業しました。もともとはハウスメーカーでインテリアコーディネーターをしていたんですが、土日祝の出勤や残業が当たり前の世界で…。共働きで、私は土日出勤。娘が保育園に通う間はなんとかなっても、小学校に上がるとすれ違うようになる。「家庭の幸せを作る仕事をしているのに、私はボロボロになりそうだな」と感じて次女の出産を機に独立しました。
――もともと独立したかったわけではなかったのですね。
島村:はい。でも、仕事を辞めて少し経った時、友人に「マンションを買うから家具の相談に乗ってほしい」って言われて。最初は「代わりにランチ奢るね」みたいな感じだったんですが、だんだんと、知り合いの知り合いへと広がっていって。
そうなるとランチを奢るというわけにもいかず「ちゃんと請求してください」と言っていただけるようになり、そんなふうにして仕事になっていきました。
さらに、児童館を訪れた時「ママたちのお仕事は何ですか?」というアンケートにインテリアコーディネーターと書いたら「児童館でママ向けに講座をやってもらえませんか?」とお声がけいただきました。
そこから大田区の教育事業の一環として、10年以上講座を担当させていただいています。
――ママ向けのインテリアの講座とは、具体的にどのようなものでしょうか。
島村: 子どもが自分で着替えられるように収納を“手が届く位置”にするなど、親が全部やるのではなくて、お子さんが自分で「できる」環境づくりをお伝えする内容です。
インテリアって日本だと「きれいな部屋」みたいなイメージが強いんですけど、私は、環境デザイン=自己表現や自立を育てる土台だと考えています。
整理整頓や自己表現、コミュニケーションを学ぶ場所として、自宅を「一番身近な練習場所」にしてあげることが重要だと思っています。

――環境設計によって、行動の変化につながるという視点ですね。
島村:そうですね。親が子どもにできることって、環境を与えることと関わりをつくること、その2つしかないと考えています。
また、実は家庭だけでなく仕事の現場にも同じことが言えると思っています。
働く人が自分で考え、動けるかどうかは、個人の能力だけではなく「どんな環境に置かれているか」に大きく左右されます。
集中できる動線があるか、コミュニケーションが生まれやすい配置になっているか、安心して意見を出せる空気があるか…など
オフィスや店舗といった“仕事をする環境”も、人や組織の成長を支える土台です。
そうした考えから、個人のお客様だけでなく、企業様や事業者様向けに「働きやすさ」や「顧客との関係をデザインする」視点を取り入れた空間づくりの支援も行っています。
‐中略-
一人でやるからこそ「場」が必要になる
対談の中で、お二人が共通して語ったのは「基本は一人で回している」という現実でした。
島村:私は完全に個人で、経理も全て自分でやっています。外部にお願いするのは、自身がプロデュースしている手帳の校正など、1人では限界がある部分だけですね。小さな方が楽なので、基本は一人で完結できる状態にしています。
池田:私は数字が本当に苦手で…。確定申告だけお願いしたこともありますが、基本は自分で事務作業もスケジュール管理も全部やっています。
――お二人とも「一人でできる」強さがありながら、だからこそ“詰まりやすい”部分もある。そのとき、効いてくるのがフェムベースが提供する“場”でした。
コラボが生まれた出会いは「マドレーヌお茶会」
――お二人が知り合ったきっかけは?
島村:フェムベースが月一で開催している「マドレーヌお茶会」で初めてお会いしました。
――そこからコラボに至るまでのきっかけや経緯を教えてください。
島村:目黒区の商工まつりに、フェムベースとしてブースを出展することになりました。
開催の数週間前に配られた割り振り表を見ると、池田さんと同じブースだったのです。
そこで池田さんに「お隣ですね、よろしくお願いします」って連絡したことがきっかけです。
その後のやりとりで「せっかくなら別々にやるより、一緒にやった方が面白いよね」という話になり、「じゃあ何をやろう?」と、コラボの企画が始まりました。
実は池田さんとは、マドレーヌお茶会で一度お会いした後も、その後のマドレーヌお茶会やコワーキングエリアでお会いしてたんです。
1回会っただけだと、なかなかコラボにはならなかったと思いますが、何度か顔を合わせて「人柄を知っている」状態になっていたので、すぐに連絡を取ることができました。
池田:お祭りだから、がっつり講座というより、立ち寄ってもらえる軽さが大事。ワンコインで体質チェックをして、詳しい内容は持ち帰れる。そういう形がいいね、と。
島村:テーマは“温活”にしました。池田さんが温活のコンテンツをたくさん持っていて、冬の時期にも合うし、気軽に立ち寄ってもらえるかなと。薬膳で4タイプに体質鑑定をし、各タイプに合わせて「おすすめ食材」と「インテリアの工夫」をセットで提案する温活カルテを作りました。
さらに、体育館のブースは味気ないので、ファブリックやクッションを持ち込んで温かさが伝わる空間づくりをしました。そこはインテリアコーディネーターなのでこだわりたくて。

「薬膳だけ」「インテリアだけ」より始めやすい
――お二人の専門性を掛け合わせることで“分かりやすい入口”ができたようですね。
池田:薬膳だけ、インテリアだけ、だと深く学べる反面、とっつきにくさがあります。でも“温活”というテーマから入って、実は薬膳とインテリアなんだ、と分かると、お客さんにとっても始めやすいと思いますね。
島村:双方の顧客層が似ている点も大きいと思います。もし薬膳が筋トレ大好きな男性向けだったら、私が提供するインテリアと掛け合わせるのは難しかったかもしれません。でも「豊かな暮らし」や「幸せ」を求める女性という点で、お客様像が重なっていたので、自然にコラボできたのだと思います。
一人で抱えないために必要なのは「通えるコミュニティ」
――最後に、個人で活動していて不安を抱える方や、起業したばかりの方へメッセージをお願いします。
島村:「一人にならない」方がいいと思っています。もちろん仕事自体は「一人」でやるのですが、定期的に顔を出せるコミュニティがいくつかあると、精神面でも、実務面でも全然違います。
交流会で名刺を100枚もらって終わり、では、その後が生まれにくいですよね。定期的に顔を合わせて、人柄を知り、雑談ができる関係ができると、結果的に一番強いんじゃないかな。
池田:個人事業主の悩みって、個人事業主同士じゃないと理解し合えないことが多いんですよね。だから私は、なるべく自営業者が集まる場所に顔を出して、つながりを持つようにしています。
オンラインも便利だけど、リアルで一度会っておくと話が早い。
島村: オンラインは雑談が生まれにくいですが、リアルは雑談を通じてぐっと距離が縮まりますよね。だから、近くにある、通えるコミュニティは良いと思います。
「個人で活動していて不安を抱える方や、起業したばかりの方へメッセージを」と言われて一番に思い浮かんだのが、一人でできるけど、一人でやらないことでした。
起業当初は全部を「一人で頑張る」ことが当たり前でした。
仕事も、子どものことも、家のことも全部一人でやろうとして、できなくはないけれど、もう毎日必死でした。
余白なんて1㎜もなかった。
数日は一人で頑張れても、頑張り続ける状態では健やかに続けられないもの。
体調を崩したり、気持ちにゆとりがなくなってしまいます。
そうなると結果、仕事もうまくいかないし、つい子どもにイライラして、自己嫌悪という負のスパイラルにはまってしまう。
暮らしも、仕事も、一人で頑張らない仕組みと環境を持っておくのが、心地よく続ける秘訣だと思っています。
家事代行を頼んだり、一時保育や病児保育を頼ったり。
友人に話を聞いてもらったり。
私がフォローアップコミュニティの「ちこゼミ」を毎月開催しているのはそんな場を提供したいから。
外部の頼れる場も、もちろんあるといいのですが、一番のおすすめは家の中に頼れる環境を作っておくこと。
子どもは日々、できることが増えていきます。お子さんの「できる」を伸ばす環境を用意しておくだけで、家事を一人で頑張らなくても良くなります。
旦那さんとのコミュニケーションを取りやすい環境を作っておくと、必要な時に、ほしいサポートを気兼ねなく頼ることもできます。
家事動線を見直して楽にしておく。
家族も家事をしやすい家具配置にする。
片付けやすい収納にしておく。
食洗器やお掃除ロボット、乾燥機を賢く使う。
「一人で頑張らない」という精神論ではなく、気持ちに余白のあるうちから
「一人でやらない」=「家族を頼る」選択肢と仕組みを持っておくだけで、毎日はずっと楽になります。
自分でやってもいいし、やらなくてもいい。
私は日々、インテリアでそれを作る仕事をしています。
「一人でやらない」環境づくりの相談は
こちらのインテリア相談室で受け付けています。
このインタビュー記事を、ぜひあなたが「一人でやらない」選択肢を手に入れるきっかけにしてください。
インタビューの全文は、私もお世話になっているフェムベース池上の本多さんの記事でご覧いただけます。全文はこちらから。

島村知子 インテリアコーディネーター
時間と空間をデザインするinterior-vida主宰。小さな家で家族の「心地いい」を叶えるをコンセプトに講座や相談、コーディネートを提供中。家庭と仕事で揺れる女性を住環境からサポートしている。相談者数は2000人を超え、講座も年50回以上開催中。自身も44㎡に4人+金魚3匹で暮らし、仕事も、私時間も楽しむ環境を作っている。

