大人の寛ぎインダストリアルインテリアの作り方
- 島村知子
- 2023年3月13日
- 読了時間: 5分

先日、宿泊したホテル ”the WAREHOUSE ” を例に大人の寛ぎを叶えるインダストリアルインテリアの作り方をお届けします。
インダストリアルインテリアとは?
インダストリアルとは「工業の、産業の」などの意味です。 the WAREHOUSE も「倉庫」という名のホテルです。
京浜工業地帯にあり、昔から愛されてきた工場のようにというコンセプトだそう。
工業製品は無駄な装飾はなく、使いやすいですよね。つまり、飾り気のない無骨なデザイン、頑丈な素材がインダストリアルインテリアを作る時のキーワードです。

インダストリアルインテリアの色
どの色をどこに使うか。どれくらいの割合使うか。色彩で空間の印象は大きく変わります。
インダストリアルインテリアに使う色はダークトーンやグレイ、ブラック。
皮のブラウンやキャメル。木製家具、スチールのシルバー、ブラックパイプ、コンクリートのグレイ。素材その物の色。カラーリングはしません。
工場では天井を張ることもないので、配管をむき出しにした綺麗過ぎないテクニックが使われます。

インダストリアルインテリアの形
形はあまり手を加えず、無骨なものが正解。テーブルの天板も厚めがおすすめ。
工場は安定して働けるように、家具もずっしりしたものを。テーブルの脚なども太く安定感のあるものを使います。そうすることで重厚感ある大人なくつろぎ感が生まれます。
細く洗練されたものより、太くがっしりした方が合うので、床のフローリングも幅がある物を選ぶとしっくりきます。

インダストリアルインテリアの素材
素材は頑丈なものを。コンクリートやタイル、レンガ、無垢材、パイプ、アイアン、スチールなど。無垢材を多めに使うことで、ハードな印象でありながらも、どこか懐かしい温かみのある空間になります。綺麗に整えるというよりも、素材そのものを楽しむ空間です。

どんな家具を選べばいい?
ソファやテーブルなど大きな家具はその空間の印象を左右します。
家具を選ぶときも上記の色、形、素材を意識して選んでいきましょう。
木製家具の脚がブラックアイアンなどもおすすめです。
全部がインダストリアルインテリアによると、ちょっと無骨な感じがしすぎて重い、男前すぎるということであればモダンテイストの家具も似合います。シンプルでモダンな家具を選ぶときは色のトーンを合わせるのも忘れずに。
テーブルを選ぶときは天板の素材感に注意です。
ざらりとした質感のままの天板も多いので、テーブルの上で文字を書いたりすることがあるなら天板は凸凹がない物を選んでおきましょう。

照明を選ぶときのコツ
インダストリアルインテリアに似合う照明は、上の写真のようなスチールシェードのペンダントランプ。ラウンジに合ったものはスチールの上部に木目のデザインが施された無骨ながらも洗練された遊び心がある物でした。
艶がないマットな仕上げのものや、サビ加工されたヴィンテージの雰囲気のものがぴったり。カラーは―ブラックが王道。カーキなどもおすすめです。色で迷ったら向上にありそうな汚れが目立たない実用的なカラーを選んでみてください。

こちらは客室の照明。裸電球があしらわれた照明器具もインダストリアルらしい空気を作ります。写真のように塗装がしてあり、まぶしくないものもあります。
電力業が盛んになったころの1950年前後のアンティークの照明器具もインダストリアルなデザインの物が多いので、アンティークショップで探すのも楽しいかもしれません。

スイッチプレートにこだわるのも素敵です。トグルスイッチ。
インダストリアルなウィンドートリートメント
インダストリアルなお部屋にドレープたっぷりなエレガントなカーテンはに合いません。
カーテンをつけるならざっくりした麻など素材感のあるカーテンでひだが少ない物が似合います。模様がない無地のカーテンがいいですね。
ウッドブラインドやシンプルなブランドもおすすめ。
インダストリアルインテリアはやり過ぎるとお部屋全体が重く、暗い印象になるので、光を取り込む窓周りはブラックカーテンより明るく光を取り込む窓周りを目指すと、気持ちのよいあたたかなインダストリアルインテリアが出来上がります。

プロが推薦
インダストリアルインテリアを作る時にまず見るショップ
インダストリアルインテリアで大人くつろげる空間を叶えたい。
そう思ったけど、どこで買える?を解決します。
全国に店舗があるビンテージやインダストリアルアイテムが多数そろうショップ。
意外な組み合わせが見つかるかもしれません。
ファッションブランドが手がけるインテリアショップ。アーティストやクリエイターとのコラボアイテムも季節ごとに出しているので、個性的なインダストリアルアイテムに出会えます。
1997年に大阪で誕生したTRUCK FURNITUREは、家具だけでなく、そこにある空気感も大切にしたいから卸はせず、自分たちの目の届く範囲で販売しているスタイルのあるショップ。木、皮、鉄を使った家具はインダストリアルインテリアにぴったりです。日本では嫌煙されがちだった、割れや節がある木を愛着を持って育てる家具に変えたショップでもあります。

インダストリアルインテリアが作る空気
インダストリアルインテリアは無骨でありながらも懐かしく、温かいくつろぎ感を生み出します。大人がゆったり寛げる空間。落ち着いた空気を醸し出します。小さなお子さんがいつ場合は「子どもがいると無理ですか?」と言われることもありますが、そんなことはありません。子どものおもちゃのカラフルさとの相性がちょっと難しくはありますが、隠すなど工夫をすれば大丈夫。インダストリアルインテリアが持つ味のある素材の魅力は、お子さんの触覚など五感を育むことにも役立ちます。
寛げる大人空間をお楽しみください。

島村知子 インテリアコーディネーター
打合せでじっくりと話を聞くスタイルで、あたたかな空間デザインを提案。インテリアを賢く使って、部屋が心地よく整う。私と家族の幸せな時間が増えるインテリアコーディネート、インテリア講座を開催中。
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